歯科でのコロナ対策は・・・?

あんまし、仕事のことは書かないんだけど、全国にいる同業の歯科医師・衛生士・歯科助手の方が危険にさらされていると知り、なんか自分でもできないかなと・・・(使命感は少なからず人並みにはあるとw)。やっぱり、治療中の口の中から舞う様々な細菌やウイルスが混入しているであろう水やエアロゾルは大問題。コロナキャリアーの患者さんが来たら速攻で感染しそう。感染すれば患者さんにも移してしまう可能性もあるし・・・戦々恐々です。。。

エアロゾル学会の見解を見ると、マスクの密閉がやはり重要とのこと。微小エアロゾルで1μm程度であることも書いてある。

(抜粋)

感染防御の観点からは、いつも使っているサージカルマスクなんかでは到底防ぎようもないし、ましてや布マスクなんてしていないも一緒で、全国の歯医者の先生は半ば諦めムードだとおもう。N95マスクとゴーグルで完全防御すれば最小限のリスクになるけど、全世界的に枯渇しているN95のマスクはコロナ対策で最前線で戦ってる医師・看護師のみなさんが使うべきものであるし、現時点では歯科医師が使うべきものではないと思う(在庫が滑沢になればもちろん使ったほうがいいけど・・・)。

どうしようかなぁと考えていたところ。

ここで3Dプリンターを使うべきでしょう

3Dプリンターを用いて顔に合わせて密着性の高いカバーを作り、その先に濾過フィルターをつけた形態にしよう。


フィルターの性能と考察

まずはフィルター性能を考えてみた。まずは、入手しやすい素材のフィルター性能を考察したサイトを読みまくる

上のサイトでは、香港の鄺士山化学博士が発案したHKマスクに用いるフィルターの概要が公開されてる。

通常のサージカルマスクの濾過効率は7.51~88.2%とのこと。幅ありすぎない?wまぁ、装着方法などにもよると思うので、おおむね50%程度なのかな。

1のマスクのみは布マスク(日本でいうアベノマスクですね)は8.7%で防御力はほぼない。だからといって意味がないわけではない!!飛沫飛散防止観点では有効なので一般用途ではいいと思う。でも、医療にはちょっと・・・ね。

2枚のキッチンペーパーを90度で重ねると91.3%の濾過率を達成できるとのこと。これは朗報である。でもキッチンペーパーのみだとやはり不安だし、製品にばらつきがあるので、最終フィルターはサージカルマスクの不織布も併用したほうがいいかな・・・。


マスクのデザイン

とりあえず要件を並べてみた

  1. なるべくシンプル
  2. ひもでがっちり固定するためそれなりの剛性
  3. フィルターを複数設置できる構造
  4. 診療中に気軽につけたり外したりしたい
  5. 気軽にアルコール拭きしたい

で、時間もかけていられないので、プロトタイプとして自分の顔にノギスを当てながらざっくり設計。上の穴が開いている部分にレンコンみたいなキャップをフィルターごと挟みこむ。もう一つのリングはフィルター穴より一回り小さいリングでこれにもフィルターを挟みこんで使う予定。意味がよくわからないと思いますが(笑)。。。あとで出来上がりで説明します。

鼻の部分は、もう少し細かく設定したかったけど時間と労力が合わないので、このまま完成したものを実際に合わせながら削ったほうが早いよ!?(歯医者ならなおさら・・・)

早速プリント。マスク本体はそこそこの大きさの為、ABSだと熱収縮によるゆがみがひどくなるのが予想できるので適当にブリムを多めにつけて、印刷テーブルにはケープやスティックのりではがれないようにしましょう。熱収縮が小さめなPLAでやってみようと思ったけど削りにくい記憶があったのと、3Dプリンタの設定をPLAに変えるのがめんどくさいのでABSで強行!!

フィラメントの巻ぐせが強くてエクストルーダーの送り出しに失敗して心が折れそうになったけど、なんとか安定して出力完了(5時間半かかった…)

比較的大きな印刷物なので熱収縮で部分的に積層割れしますが、マスクの厚みも5mm程度あるので空気漏れをするほどではないと思います。積層割れの部分にはアクリルサンダーを流し込み溶着しておきます。

さらに、バリをとったり鼻の部分を削ったりして密閉できるように整えます。ここは歯科の道具を使います。んなんねーよ!という場合には、ホビールーターに削るドリルをつけても削れます。3Dモデリングできる方は、そこでやったもいいのでは?(むずかしそうー)。次に組み立てです。


マスクの組み立てと使用法

ひもはダイソーで用意しました。7mm程度であれば何でもいいと思います。どんな風に使うかは下のYoutubeを見てください。

フィルターを2段で設置できますので外側にマスクフィルターを設置、内側にキッチンペーパーを設置すればいいと思います。Youtubeは手で簡単にちぎれるティッシュペーパーでやっています。装着は空気漏れがないことを前のフィルター部を手で塞いで確認し、2本のコードクリップでしっかりと締め上げます。

あんまり、つけたところは見せたくないんですが・・・伝わらなければ意味がないのでw。眼鏡や拡大鏡(サージカルルーペ・私はキーラーを使ってます)にも干渉しないです。でも頭がコードだらけになりますけどしょうがないですね。

全部の処置でこれをつけるのは難しいので、歯を削るときなどエアロゾルが飛ぶ場合にサージカルマスクの上から取り付けて使っています。もちろん口腔外バキュームやゴーグル(花粉症用ゴーグルに度を入れたものですが…)を併用すべきと思います。アルコールで拭けるし、サージカルマスク一枚で3つほどフィルターとれるのでまぁ経済的と思いますが。

一応、3Dモデルのリンクをしたに置いておきます。興味のある方はどうぞ

3DプリンタマスクSTLファイルDL

内リングが3つほどありますが微妙にサイズをずらしています。使うフィルターに合わせてぴったりしたのを使ってみてください。

投稿者 まる

Twitter : @dinagon Instagram : @d_dinagon フォロバします!!最近、ESP/Arduinoいじりすぎでアプリ開発が進んでない。歯医者なのに歯のことはあまり触れませんw