以前、ダイキンのエアコンの記事(その1、その2)を書いたが、その時に、電力量を時間毎に記録できるようにしたおかげで、寒冷地エアコンの能力が少しわかったので、その御報告。
計測条件
機種は
S56STDXP-W
24時間運転(温度設定プログラム 深夜帯(2-3時)は18度、朝5時ころから朝8時まで段階的に18度→22度。日中は22度。あとは寒かったら上げるのは適宜)
住宅条件 2階。天窓有。脱衣場、小部屋は開けっ放しだが寒い日は締める。窓は断熱等級★3or4(大きい窓3マイ、小窓4マイ、天窓除く)、広さは詳細わからないが、2階は25畳ほど。一階への階段には断熱カーテンで一応仕切り。北海道道南地域
で、11月~2月ぐらいまで、毎日消費電力と室内温度、外気温度を15分毎に自動集計し、グラフ化。
まずは、平均外気温差と消費電力のグラフ。
横軸 : 外気温と部屋の温度差
縦軸 : 消費電力(wh)
次に、平均外気温と消費電力のグラフ
横軸 : 外気温
縦軸 : 消費電力(wh)
灯油暖房との比較
これを見ると大体、平均外気温0度で日中22度、夜間19度で室温を24時間キープするのに10kwh(10000wh)かかっている。まぁエアコンを暖房で使う家庭は月に280kwhなんて軽々超えるので33.37円/1kwh(うちの北電2016/3現在)で計算すると、333.7円かかるということである。灯油(73円/L 2016-03北海道価格)にすると4.5L燃やすのと同じ。ちなみにFF式の20畳程度の機種で最小火力で灯油を燃やした場合、0.24L/h(某メーカー)であり、24時間運転で比較すると5.76Lとなる(あくまで最小で24時間)。仮に夜11時に消して、朝6時にストーブを付けても最小で燃やした場合、4.08L(着火時・早朝の強火は考慮無し)となる。
このことを考えると、平均外気温0度の日にストーブを消すとは考えにくい為、エアコンの方が得な感じがする。また夜消したとしても、24時間快適に過ごせることを考えると、この差は十分にスポイルできると思う。
特に、小さい子がいる家は、目を離してられる事や、長い時間の外出でもつけっぱなしにできるメリットは大きい。乾燥すると騒がれているが、FF式も外部吸排気なので乾燥するのは一緒とおもう。ポータブル石油暖房の場合は換気が必要なので、長時間使うには、別な問題がある。湿度の話に戻るが、FF式でもエアコンでも加湿器でカバーするとことになるが、エアコンの方が、ダイキンだとストリーマとかでウイルス除去できる(はずw)から、風邪・インフル対策効果が高いと思う。
こうなると、灯油暖房はダメといっているように聞こえるが、そうではない。大人の寝室や普段使わない部屋の暖房は、即暖力がある灯油暖房が優れている。エアコンは早く温めるのには不向きだし、居間のような、いつも利用する空間を「持続的に」温めておくには高効率を発揮する。「電気の風は・・・ちょっと・・・」とか「炎が見えないと・・・」とかは、その検証できないので無視した。
寒冷地エアコンのランニングコスト
自分自身の地域で導入した場合のコストは、先のグラフと気象庁が公開しているアメダスのデータと照らし合わせると概算が算出できるとおもう(条件が同一ではないので参考値程度にはなる)
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php?sess=6ef525a9cdef28cea634ce58ca736e68
あくまで、平均気温であるので、早朝にマイナス10度とかになっても、日中にプラスにまであがれば、平均気温はプラスになったりもする。その逆もあり得る。このデータの中にも、朝は冷え込んだのに、夜はプラスだったとかも含まれている。そのブレは多少なりとも影響するかもしれない。
しかしながら、ほぼ、指数関数的に相関するデータが得られている。外気温が氷点下になると極端に効率が落ちるという、ヒートポンプの特性を著明に示していると思うが、0~15度付近の暖房能力は優れものである。平均外気温が-10度以下になる日が多い地域は、別な暖房と併用をしてほうが効率がいいかもしれない。北海道でも、そんな地域は多くはないと思うが・・・(ちなみに陸別でも平均外気温は2016-01~2016-02で最低で-11.9度)。
自分の街の気象庁のアメダスをみて、上の近似グラフの式に当てはめ、計算すれば大体の消費電力、電気料金はでると思う。とくに我慢せず、寒いときには上げたりして使ってたので、多めにはなってるとおもう。
以下は私見となるが、はじめは、エアコン暖房に若干の不安があり、足りなかったら、ファンヒーターの併用も考えていたが、全くその必要はなかった。2Fフローリングで底冷えはないためラグを敷く程だったが、床暖房と組み合わせれば最強になると思う。エアコン暖房は北海道には適さないといわれているが、特別な地域(平均気温が-10度以下が多い地区など)以外は十分使える性能といえる。北海道は広いから、ひとくくりじゃ言えないw。
電力料金の自由化で、電力料金が下がってゆくことになるとおもうが、このことも、寒冷地エアコンの追い風となるのではないか?
灯油セントラルと寒冷地エアコンの併用(一戸建て編)の記事を書きました。こちらも読んでみてください。